がん薬物療法を受ける糖尿病を併せ持つがん患者のセルフマネジメント橋渡し支援の開発
お知らせ
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第39回日本がん看護学会@札幌で交流集会を開きます。
開催日時:2月22日(土)13時45分~14時45分 12会場(札幌市教育文化会館3階研修室305)
会場開催+ライブ開催(オンデマンド配信なし)
交流集会の資料はこちら
ご挨拶
わが国において、2020年に新たにがんと診断されたがんは945,055例で、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性62.1%、女性48.1%で2人に1人という状況です。また、厚生労働省の2020年の調査によると、糖尿病で現在治療を受けている患者総数は5,791,000人(男性3,385,000人、女性2,406,000人)です。つまり、現在の日本人にとって「がん」と「糖尿病」は大きな健康課題といえます。また、糖尿病患者は多くのがんにおいて有意に高い発症リスクがあると報告されており、がんを併せ持つ糖尿病患者に出会うことも多くなっています。さらに今後は、がん治療の発展により長期に療養する糖尿病とがんを併せ持つ患者の増加が予測されており、糖尿病とがんを併せ持つ患者の看護には多くの期待が寄せられています。このような状況をふまえて、私たちは、2017年より、「糖尿病?がん看護研究会」を発足し、定期的に検討を続けてきました。
がんを併せ持つ糖尿病患者は、がん薬物治療中は様々な有害事象によって、糖尿病のセルフマネジメントだけでは対応が困難な状況が生じます。私たちの先行研究では、患者は糖尿病、がんそれぞれの専門領域の看護師から提供される情報を自身で統合し、がん治療の時期に応じて優先性を変えながら糖尿病とがんの両方のセルフマネジメントを行っている現状がありました。
そこで、私達はそれぞれの専門領域の看護師間の連携?協働を基盤として、がん薬物療法中のセルフマネジメントを促進するシステムを考案し、現在はこのシステムについて検証を試みております。
研究会発足後、「看護セミナー」、日本糖尿病教育?看護学会学術集会や日本がん看護学会学術集会において「交流集会」を行ってきました。看護師、栄養士など多くの方々にご参加いただき、がんを併せ持つ糖尿病患者のケアについての臨床現場での現状、課題を検討して参りました。個々の患者へのケアの充実はもちろんのことですが、同時に患者を中心に糖尿病看護とがん看護の連携を進めていくことが求められていることがわかりました。
このホームページは、糖尿病看護あるいはがん看護に携わっておられる看護師の相互の交流や、私たちが開発したセルフマネジメントを促進するツールを提供する場、そして糖尿病看護とがん看護の連携を進める上での問題提起の場として活用いただけることを願って立ち上げました。多くのみなさまにご活用いただけますと幸いです。
最後になりましたが、この支援システムを検討?考案する研究に関する資金、本ホームページの開設に関する資金は、公益財団法人SGH財団より「第3回SGHがん看護研究助成金」、「日本科学研究費助成事業基盤研究(C)令和4年度~令和7年度」から助成いただいております。
2025年2月22日
がん薬物療法を受ける糖尿病を併せ持つがん患者のセルフマネジメント橋渡し支援の開発
研究組織
JSPS科研費 JP22K10904 の助成を受けています。