OSAKA SEIKEI TOPICS
2025.04.07
お知らせ
大学
2025年4月3日に、大阪成蹊大学 / 大阪成蹊短期大学合同の令和7(2025)年度入学式をグランキューブ大阪メインホールにて挙行し、大学1,205名(大学院含む)、短期大学330名の新入生を迎えました。
【大阪成蹊大学 中村 佳正学長式辞】
大阪成蹊大学の令和七年度新入生1,202名、大学院教育学研究科3名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
昨年、新しい五千円紙幣の顔として話題になった津田梅子。彼女は明治?大正時代の教育者であり、一九〇〇年に現在の津田塾大学の前身である「女子英学塾」を開校しました。 開校式では「真の教育に大切なのは、教師の熱心と学生の研究心」と述べています。
「女子英学塾」は英語教師の育成を目的とした学校です。ところが、単に専門知識を学ぶだけではなく、英語を通して世界を意識した人間を育てることを掲げました。さらに、文系?理系の学問、さらには音楽やアートなどのリベラルアーツにも触れ、幅広い教養、自立した精神、豊かな人間性を持つことを重視しました。
津田梅子は、そのような人間性を身につけた女性を「オールラウンド ウィミン」と表現しました。オールラウンドとは、あらゆることに優れているという意味です。
津田梅子の例をあげましたが、「リベラルアーツ教育」と「専門教育」との両立は、実は、女子教育に限るものではなく、中世ヨーロッパ以来の大学教育の普遍的な価値であり、広く大学教育の達成目標でもあります。
さて、大阪成蹊学園の建学の精神である「桃李不言下自成蹊」(とうりものいわざれども、したおのずからこみちをなす)という言葉は、中国の前漢時代の歴史学者“司馬遷”があらわした「史記」の一節です。優れた人のもとには、言葉であらわさずとも、自然に人が集まる、ということを説いたものです。
この「優れた人」を「人間力のある人」と言い換えると、本学園が育てようとしている人材像がより明確になります。では、どうすれば「人間力」を身につけることができるのでしょうか?
大阪成蹊大学では、「人間力」を高めることを教育方針とし、そのために、すべての学部で初年次教育科目として「成蹊基礎演習」という必修の授業科目を開講しています。
この科目では、教員の熱心な指導のもとで、「自ら考え、計画し、行動する力」を養い、大学生としての学びの基礎を築くことを目指します。さらに、グループワークにおける仲間との協働によって、何が重要であるかを自分自身で考え、対話力を育成し、大学生にふさわしい授業態度を身につけていきます。
「自ら考える力」とはリベラルアーツ教育で育むものであり、これに各学部の専門教育を組み合わせることで、大阪成蹊大学は、津田梅子が願った、そして中世ヨーロッパ以来の大学教育の達成目標を、大学独自の授業科目によって実現しようとしています。 新入生?編入生の皆さんが、大阪成蹊大学の教育方針のもとで、多くのことを学び、さまざまなチャレンジをして、自分自身を大きく成長させていくことを、心から願っています。(抜粋)
【新入生宣誓】
▲データサイエンス学部 鈴本 晴さん
私は、大阪成蹊大学の学生として学則を守り、建学の精神に基づく学風を高め人間力を備えた学士をめざし、学究に励むことを誓います。
【大阪成蹊学園 北本暢理事長祝辞】
大阪成蹊大学、大阪成蹊大学大学院、大阪成蹊短期大学にご入学された新入生の皆さん、誠におめでとうございます。
大阪成蹊学園は、創立92年目を迎え、卒業生総数約14万人を誇る歴史と実績のある学園であります。少子化の加速により18歳人口が減少の一途を辿り、大学、短期大学、日本の高等教育機関を取り巻く環境は、大きな変化の時をむかえております。この厳しい時代において、本学園の”中興の祖”、石井茂総長が着手された、約15年間にわたる教学改革、ガバナンス改革などによって、我が学園は進化を続け、新しいステージを生み出してまいりました。この15年間に学園在籍者数は倍増し、現在では2つの大学と大学院、短期大学、高等学校、幼稚園において、7,863名の学生?生徒?園児が学ぶ総合学園として成長を続けております。
令和5年には、阪急京都線相川駅前に新たなキャンパスを開設し、データサイエンス学部、看護学部の2学部を開設いたしました。これによって文系?理系?芸術系の6学部の総合大学へと発展いたしました。令和9年には、その駅前新キャンパスをさらに拡充し、新たな7学部目の学部設置を構想しており、新校舎の建築を含む、より充実した学修環境の整備計画を推進中であります。
ここで私から、皆様に学園創立の基本理念であり、もっとも大切な教育方針である「建学の精神」と「行動指針」についてお話ししたいと思います。「桃(とう)李(り)不言(ふげん)下自成蹊(かじせいけい)」、これが本学の建学の精神であり、学園名の由来でもあります。お手元の資料をご覧ください。この言葉は「桃(もも)や李(すもも)は何も言わないが、その美しい花や実に惹かれて多くの人が集まってくる、そしてその木の下には自然に蹊(こみち)ができる」つまり、「徳や能力のある人のもとには、自然に多くの人々が集まり繁栄する」という意味であります。これは中国の歴史家「司馬遷」によって書かれた「史記」の一節です。大阪成蹊学園では、この「桃(とう)李(り)不言下(ふげんか)自成蹊(じせいけい)」の言葉に表されるような、徳があり、人から慕われ信頼される「人間力」のある人材を育てることを教育目標としています。
その建学の精神の実践において、「忠恕(ちゅうじょ)」という行動指針を定めています。「忠恕」とは、「論語」にある孔子の教えで「常に真(まこと)を尽くし、他人(ひと)の立場に立って考え、思いやりを持って行動する」という意味です。お互いの立場を理解しあうことは、本学での学びはもちろん、将来、社会で活躍する際の重要な基盤となります。
近年皆さんを取り巻く環境は、AIの発達や情報化の進展、少子高齢化、変動する国際情勢など、めまぐるしく変化しております。今、大学に求められるものは、デジタル人材やグローバル人材、高度専門職人材など、社会の要請に応えられる能力、技術をもった人材の育成であります。皆さんにはぜひ本学園における学びのチャンスを大いに活用していただき、しなやかに、たくましく生き抜いていくことのできる、知性や感性、人間力を身につけていただきたいと思います。
最後に、ご入学される皆さんが、大阪成蹊学園で実り多き充実した学生生活を送ることができるよう、教職員一同全力でサポートしてまいります。あわせて、学園の三升体育平台の発展のために尽力するとともに、その成果を社会に向けて発信し、さらなる成長を続けてまいります。
皆様、本日は誠におめでとうございます。(抜粋)
【新入生歓迎コンサート】
式の第2部では、オーケストラと歌手の皆様によるコンサートが行われ、新入生の門出に花が添えられました。
アマービレフィルハーモニー管弦楽団
指揮 松岡 究
ソプラノ黒田恵美/メゾプラノ中原由美子/テノール諏訪部匡司/バリトン菊田隼平
新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。